よく噛んで食べると歯にどんなメリットがある?

こんにちは!中野区にある「都立家政南口歯科」です。

よく噛んで食べることは健康な身体を維持するために重要だと言われていますが、咀嚼回数を増やすことは身体だけでなく歯の健康を守るためにも大切です。

本記事では、よく噛んで食べることで起こる歯に対するメリットについてお話しします。

■咀嚼回数を増やすとどうなる?

よく噛んで食べると、特に子供の場合は顎の筋肉を使用するため顎骨の成長を促し、歯並びを良くすることにつながります。また、よく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防げたり、口周りの筋肉が引き締められて小顔効果が期待できるなど、美容的なメリットもあると言われています。こうしたメリットだけでなく、しっかり咀嚼することで記憶力が高まる、認知症予防に繋がるなど、脳の活性化にも良い影響を与えます。歯に対してメリットがあるのは、よく噛んで食べることで唾液の分泌量が増えることからきています。詳しく見ていきましょう。

①虫歯の予防になる

唾液は自然とお口の中に出てくるものですが、唾液が持つ役割はかなり重要なものです。単に食べ物の消化を助けたり飲み込みやすくしたりするだけではありません。

唾液は、食べカスを洗い流してお口の中を清潔に保ち、再石灰化を促す効果があります。虫歯は虫歯原因菌が酸を出すことで脱灰が起こって生じますが、唾液によって酸性に傾いたお口の中が中和されるため、再石灰化が促され脱灰を防止できるのです。

さらに唾液には抗菌作用もあるため、虫歯原因菌の働きも抑えることができ、歯質を保護する働きもあります。

②歯肉炎(歯周病)の予防になる

歯周病は、プラークなどの中に存在する歯周病原菌が原因で歯茎に起こる炎症性疾患です。はじめは歯肉炎からはじまり、進行すると歯周病になります。歯周病は人が歯を失う原因のなかでも虫歯と同程度かそれ以上に大きな割合を占めています。

歯肉炎は歯と歯茎の間に細菌の塊であるプラークが蓄積することが主な原因で起こるため、細菌を溜めないためのプラークコントロールが重要になります。先述したように唾液が持つ役割はさまざまで、お口の中に残った細菌や食べかすを洗い流す自浄作用もあるため、歯肉炎の予防にもつながります。

■よく噛んで食べるための工夫

よく噛んで食べるためには、柔らかいものだけを選ばずに歯応えのあるものを選び、食材を厚めに大きく切るなどの工夫をするのがおすすめです。またテレビやスマートフォンを見ながらなどの「ながら食べ」をやめて、食べることに集中するのも大切です。咀嚼回数を増やすことだけを意識するのではなく、姿勢をよくして食べるなどの工夫も大切です。

■最後に

よく噛んで食べることで起こるメリットは想像しているよりもたくさんあり、虫歯や歯肉炎の予防効果もそのひとつです。食事をする際は急いで食べずにゆっくりとよく噛んで食べるようにしましょう。