虫歯治療

当院では、できるだけ痛みを少なくするよう、麻酔が必要な場合には、表面麻酔薬を塗って麻酔部位の表面の粘膜を痺れさせた後、細い針でゆっくりと麻酔薬を注入しています。

治療については、できるだけ削らず・抜かず、身体的負担・治療期間がかからない最小限の治療で、最大限の効果を出せるよう努めております。

 

虫歯のメカニズム

一般的に虫歯(う蝕)とは口腔内に繁殖した細菌(ミュータンス菌)が食べ物に含まれる糖質を餌にし、酸を発生させこの酸が歯の表面を溶かし穴が開いていくことをいいます。 この過程を「脱灰」といいます。

初期の脱灰は、歯の最表層よりも、内層に数十ミクロン入ったところのほうが強く起こり、歯の内部に浸透した光が複雑に屈折反射するために白濁した白斑(はくはん)を呈しています。 この白斑のレベルであれば、ていねいな歯磨きを続けることで唾液の生理的作用によって再石灰化が期待できます。

再石灰化とは、唾液に含まれるカルシウムやリンが初期の脱灰を修復することができる、この現象の事をいいます。 通常、歯は食事をする度に脱灰と再石灰化が日常的に行われています。ですが過度の脱灰には再石灰化も追いつかず、一度進行してしまうと自力で治すことは不可能です。日ごろからのハミガキや健康的な食生活を送るのが一番の虫歯予防です。


当院の虫歯治療の特徴

痛みに配慮した治療

今は昔と違い、医療も進歩し、より痛みを抑えた治療が可能となっています。当院では、できるだけ痛みを少なくするよう、麻酔が必要な場合には、表面麻酔薬を塗って麻酔部位の表面の粘膜を痺れさせた後、細い針でゆっくりと麻酔薬を注入しています。

表面麻酔
表面麻酔は、注射する部位に麻酔液を塗っておくことで、注射針による痛みを軽減させるための麻酔です。
極細針

針が細いほど、注射時のチクッとした痛みを軽減することが可能となります。当院では非常に極細の注射針を採用しております。

麻酔液の温度

麻酔液の温度を適温に調整し、麻酔液を注入する際の痛みを軽減します。

電動麻酔器の使用
当院では電動麻酔器も完備しており、麻酔の場所など、必要に応じて使用しています。麻酔液の注入スピードを一定に保ち麻酔注入時の痛みを軽減します。

削る量を少なくした治療

歯を多く削ることは、歯の寿命をそれだけ縮めることにつながります。一度削った歯は二度と再生しません。当院では歯を長持ちさせることを大切に考えており、可能な限り削る量を少なくした治療を行っております。

拡大鏡やマイクロスコープの使用

歯を削る量を最小限度にとどめるためには、より精密な治療が求められます。精密な治療を可能にするためには拡大視野を確保する必要があります。そのため当院では、拡大鏡や、必要に応じてマイクロスコープを使用し、拡大視野下での治療を行います。

極細のドリルを使用

当院では極細のドリルを使用することで、歯を削る量をできるだけ最小限にとどめます。

う蝕検知液の使用

う蝕検知液は、虫歯の感染部分のみを赤く染め出す薬です。染め出しすることで、健康な歯質を可能な限り削らずに虫歯部分だけを削っていきます。

エキスカベータの使用

虫歯の部位などによっては、必要に応じてエキスカベータを使用して、手作業で丁寧に少しづつ虫歯を除去します。

再発予防につながる質の高い修復治療(自費)

当院では、虫歯を削った後、保険の銀歯やプラスチックによる修復治療だけでなく、より質の高い精密な治療と二次虫歯のリスク低減が期待できる「セラミック治療」も行っております。

セラミック治療ではとても自然な審美性を再現できるだけでなく、非金属であるため金属アレルギーの心配もありません。

白い歯・セラミック治療はこちら ⇒

虫歯の段階に合わせた治療

<C0 ~ 初期の虫歯>

一般的に「初期虫歯」といわれる段階です。 まだ穴になっていないため、毎日のハミガキや 再石灰化などで十分修復が可能な程度です。 ただ、進行しやすい状態であるため 4カ月に一度は歯科医院でのケアが必須になります。

<C1 ~ エナメル質の虫歯>

穴が歯の表面のエナメル質部分のみにできた状態です。 痛みはありませんがレジン(歯と同色の樹脂)や、シーラント(患部消毒後の溝埋める)などの治療が必要です。

<C2 ~ 象牙質の虫歯>

エナメル質から象牙質に達し状態です。 痛みはあまりありませんが冷たいものがしみ始めます。 インレー(患部を削ったあとの被せ物)やクラウン(患部を削ったあとの冠状被せ物) などの詰め物、被せ物の治療が必要です。

<C3 ~ 神経に達した虫歯>

虫歯部分が歯髄にまで侵食し激しい痛みを伴います。 痛みは一時的なもののため痛みがなくても進行しているケースが多いです。

この場合は、神経の治療(根管治療)が必要になります。 上物はインレー、クラウンなどの治療が必要です。

<C4 ~ 根だけ残った虫歯>

歯の神経が死んでしまい歯のみならず身体への影響もでてきます。状態によりますが抜歯などの処置が必要なケースも多いです。

歯磨き指導

当院では、治療の一環として、歯磨き指導をさせていただいております。むし歯・歯周病はお口の中の感染症であり、その原因となるプラーク(歯垢)を除去し、お口の中を清潔に保つことが、治療の第一歩と考えております。
プラークは、歯に付着している白または黄白色の粘着性の沈殿物で、非常に多くの細菌とその産生物(バイオフィルム)から構成されています。プラークは強固に歯に付着しており、薬品だけでは除去しにくい状態になっていますので、歯ブラシ等でしっかりと除去することが必要です。

プラークが除去できていない状態が続くと、新たなむし歯ができたり、歯肉の炎症が増悪することがあります。

プラークは、毎食後、歯に付着してきますので、日々の歯磨きによるお手入れが必要です。そのためにはまず、正しい歯磨きの方法を覚えていただく必要があります。自分では正しく磨いているつもりでも、苦手な部分や磨きにくい部分があったり、歯並びや歯肉の状態によって磨き方が異なってきますので、患者様に合った歯磨きの仕方を指導させていただいております。

治療開始後は、患者様ご自身の歯磨きにより、お口の中を清潔にしていただくことで、歯周病治療でより良い結果が得られることが証明されており、治療期間の短縮にも繋がります(歯磨きが不十分でプラークが付着した状態では、歯周病治療をしても効果が得にくく、再発してしまいます)。 

歯石除去

歯石とは、歯に付着したプラークが除去されないまま長期間堆積し石灰化した沈着物です。歯石自体には病原性はありませんが、新たなプラークが付着しやすくなるため、歯肉炎・歯周病の原因となります。歯石が付着すると、歯肉に炎症が起こり、歯肉が腫れたり、出血しやすくなります。この状態で歯石を取らずに放置すると、歯周病が進行し、口の中から臭いがしたり、歯の周りの骨が溶け、歯がグラグラになって抜けてしまうことがあります。

また、むし歯の治療においても、歯肉に近い部分のむし歯を取って詰め物をする際に、歯石が付いていると歯肉から出血しやすく、その為、詰め物が綺麗にできず、取れやすくなります。

歯石は、歯の表面に強固に付着しており、歯ブラシではとれませんので、歯科医院で専用の器具を用いて除去します。
歯磨き指導をさせていただき、きちんと歯垢を取れるようになっても、歯石が残っていては、歯石が接している部分の歯肉の炎症は改善しません。

以上の理由で、当院では、歯石が付いている場合は、特に症状がなくても、除去することをお勧めしています。
歯周病の治療は、患者様による歯磨き(セルフケア)でプラークを除去していただき、歯科医院では、患者様ご自身では除去できない歯石を除去し(プロフェッショナルケア)、お口の中を清潔にしていきます。