親知らずは抜かないとだめ?

こんにちは!中野区にある「都立家政南口歯科」です。

親知らずと聞くと「抜歯しなければならない歯」というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、必ずしも抜歯が必要なわけではありません。上下の親知らずが真っ直ぐに生えていてしっかり噛み合っていてトラブルが起こる様子がなければ抜歯が必要ないこともあります。

しかし、親知らずはトラブルが起こりやすく抜歯が推奨されることが多いのも事実です。本記事では抜歯が推奨される親知らずの特徴や、よくあるトラブルとその対処法を解説します。

親知らずとは?抜歯が多い理由

親知らずは、第三大臼歯とも呼ばれ、通常は17歳から25歳の間に生えてくる歯です。上下左右の奥歯に位置し、かつては食べ物を効率よくすりつぶすために重要な役割を果たしていました。しかし、現代の食生活ではその必要性が薄れてきています。健康な親知らずは特に問題を引き起こさないこともありますが、現代人の顎は進化により小さくなっており、多くの場合、親知らずが生えるスペースが不足しています。そのため、多くのケースで親知らずは問題を引き起こしやすく、抜歯が推奨されることが多いです。

■抜歯が推奨されるケース

・噛み合わせの問題

親知らずが不適切な位置に生えると、噛み合わせに問題を引き起こします。これは、他の歯に悪影響を及ぼし、歯列全体のバランスを崩す原因となります。

・虫歯や歯周病のリスク

親知らずは位置的に磨きにくく、食べ物のカスやプラークがたまりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

・親知らずの歯茎の炎症(智歯周囲炎)

親知らずが部分的にしか生えない場合、歯茎が炎症を起こしやすくなります。この状態を智歯周囲炎と呼び、激しい痛みや腫れを伴います。

・隣の歯への悪影響

親知らずが隣の歯に押し付けられることで、隣の歯にも虫歯や歯周病を引き起こす可能性があります。また、歯並びを悪化させることもあります。

・十分なスペースがない場合

親知らずが生えるスペースが十分でない場合、完全に生えきれず、埋伏歯(うもれた歯)となります。これが他の歯や神経に影響を与える可能性があります。

■よくあるトラブルとその対処法

①痛みと腫れ

親知らずが生える過程で痛みや腫れが生じることがあります。これは、周囲の歯茎が圧迫されるためです。氷で冷やしたり、市販の鎮痛剤を使用することで一時的に緩和できます。しかし抜歯をしなければ再発する可能性は高くなるため抜歯が推奨されます。

②智歯周囲炎の症状と治療

智歯周囲炎は、部分的に生えた親知らずの周りに細菌が繁殖することで起こります。口を開けると痛みが強くなることが特徴です。抗生物質の服用や、場合によっては抜歯が必要です。

③親知らずが引き起こす嚢胞

親知らずが原因で嚢胞(液体のたまった袋)が形成されることがあります。これは、周囲の歯や骨にダメージを与えることがあり、手術によって除去する必要があります。

■抜歯の手順と術後のケア

親知らずの抜歯は、通常、局所麻酔を使用して行われます。簡単なケースでは数分で終了しますが、複雑なケースでは1時間以上かかることもあります。抜歯後は、止血のためにガーゼを噛みます。腫れや痛みを抑えるために、アイスパックを使い、処方された薬を服用します。また、術後24時間は激しい運動を避け、固い食べ物やアルコールの摂取を控えましょう。一般的に、痛みは数日から1週間で和らぎ、軟らかい食事から徐々に通常の食事に戻すことが推奨されます。

■最後に

親知らずの抜歯が必要かどうかは、個々の状況によります。定期的な歯科検診を受け、歯科医の判断を仰ぐことが重要です。

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