「歯周病は口の中だけの問題じゃない?」

むし歯や歯周病というとお口の中だけの病気、と考える方は多いと思います。
しかしながら近年では、様々な研究から、口腔内の感染症もしくは慢性的な炎症と、全身疾患
との強い関係性が明らかとなってきています。

特に歯科治療において関連のある全身疾患は、
1,高血圧
一部の降圧剤を服用している方に、副作用として歯肉が腫れることがあります(薬物性歯肉肥大または薬物性歯肉増殖症といわれます)。

2,糖尿病
歯周病と糖尿病は非常に深い関わりがあります。
糖尿病の方は、「傷が治りにくい」「感染症にかかりやすい」「ストレスで血糖値が変化する」
などの症状が出ます。歯科治療によって感じるストレスが原因で血糖値が大きく変化する
などということもあります。

3,脳梗塞・心筋梗塞・狭心症
歯周病に罹患している方は、歯周病菌が血液に乗って全身を巡り、動脈硬化を引き起こし脳梗塞になるリスクが高くなることが分かってきています。
心筋梗塞や狭心症の持病をお持ちの方は、血栓ができないように抗凝固薬を服用している場合があり、外科的処置を行う場合は、出血に注意が必要となります。

4,骨粗しょう症
骨密度が低下し、骨が弱くなり骨折しやすくなる病気です。
ビスフォスフォネート剤を服用している場合は、抜歯後に顎骨が壊死する場合があり、注意が必要です。

5,感染症(エイズ・肝炎ウィルスなど)
エイズ感染症または肝炎の申告をしていただけると、内科主治医と医療情報を共有し連携して、安全で安心な歯科治療を受けることができます。